彩花の騎士
ストーリー 52

♪デケデケデッデーデデッデー♪

 TVの声「―――・・・悪の天才科学者マックラ男爵の策略にハマった光太郎達、
     襲いくる新たな悪魔怪人クラインデスの前になす術なく力尽きる・・・」

 TVの声「しかし天は光太郎達を見捨てなかった!、そこに現れた一筋の光!
     次回、敵か味方かニヒルなアイツ。・・に、シャイニング、オン!!」


 TVの声「―――・・・この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。」


 チカ「・・・くぅ〜〜〜!、やっぱ“Vシャイン”は名作だな〜・・うんうん!」
テレビの前で腕を組んで深く頷くチカ・・・

 ミヨ「・・・・・;」


ここは『此花 家・ミヨの部屋』。


学習机で朝の勉強をしていたミヨと、
対照的にテレビで特撮ヒーロー番組を見ていたチカ・・・


 チカ「ミヨもシャイニングオンしよーよ!」
 ミヨ「しないわよ;」何よそれ・・・


 ミヨ「・・・まったく・・・何で朝からわざわざウチ来て見るかな〜・・・」
 チカ「だって連休の朝といったら“名作キッズ劇場”で決まりじゃん!!」

 ミヨ「いやウチで見る意味がわかんないし;」キッズって自覚はあるんだ
 チカ「アタシの部屋のテレビちっさいって知ってるくせに!」(>□<)=3

 ミヨ「えぇ〜・・・;」どこで逆ギレ・・・


 チカ「それよりさ!、昨日の夜メール来た?!」
 ミヨ「あぁ〜・・・合宿の件ね・・・」切り変わり早っ;

と、ミヨはケータイを取り出してカチカチといじり
該当するメールを開いてチカに見せる・・・

 ミヨ「はい」
 チカ「?」


 チカ「・・・っ!?、わぁーーーーー!?!!!Σ(@□@;)」ガタタッ
ケータイの画面を見てたじろぐチカ

 ミヨ「クスクスw」
 チカ「なにそれっ!?、気持ち悪っ!?!!;」

 ミヨ「ナギサ先輩、メールにいちいち心霊写真を添付するのよ;」逆ギレのお返しw


 チカ「りんぴょーとーしゃーかいじんれつざいぜん!、悪霊退散!!」
 ミヨ「やんなくていいから(^^;)」これ加工画像って言ってたし

 チカ「喝ぁぁぁぁぁーーーーーーーっつ!!!!!」(>□◎)ノ=3
 ミヨ「うるさいなぁ・・・;」朝から



 ミヨ「・・・で、明後日(合宿)チカも行くんでしょ?」
 チカ「ったり前じゃんよ!」グッ!☆








・・・・・・・








少し溯る事、昨夜・・・午後7時半ごろ・・・・・。

3年生の各班長達から、それぞれの班員にメールが送られていた・・・


 コウ「―――・・・っ!!、合宿だって!!!」ガバッ

アパートの自室にて、遊びに来た皆と夕食のシチューを食べている最中のことだ。


 カナコ「“五高地”って、セレブの別荘が沢山あるところじゃない!!」
 フミコ「はい。避暑地で有名な場所ですね」

同じく、カヲルからのメールを受け取った、狙撃班の2人。


 タエコ「なによなによ!、アタシんとこそんなメール来てないわよ!!」
 スミ「アリサ先輩、マイペースな人だから・・・(^^;)」

 スズナ「私達も参加できるのでしょうかぁ?」

 コウ「うん!、全員自由参加って書いてるから大丈夫!!・・・だと思うよ(ボソ」
 タエコ「最後なんて?」

 コウ「あ、いやだって・・・;」


 ???「―――・・・メぇ〜ルが届いたピョン♪」


 スズナ「!、メール来ましたぁ!(^^)」
 カナコ「凄いメルヘンな着信ボイスね・・・」サン●オ的な・・・

 スミ「あ、私もだ(^^)」
 タエコ「姫(アリサ)遅いよぉ〜〜〜;、焦らしすぎ!w」来た来た





・・・・・





同時間帯、『小笠原 家・シノブの部屋』。

机でノートパソコンの画面を見ながら
左手に持ったケータイで、誰かと通話しているシノブの姿・・・

 シノブ「・・・五高地(ごこうち)。
     5つの山に囲まれた、自然豊かな標高の高い地域・・・」

 シノブ「避暑地、観光地、キャンプ場として有名で、別荘なども多く存在する」

 アカネの声『ほんでほんで?』
電話越しから聞こえるアカネの声・・・

 シノブ「一方で、奥地に進むと
     まだまだ手付かずの自然が多く残っており、
     修行場や訓練場といった側面も持つ。・・・以上です」

 アカネの声『以上ちゃうがな!(@□@;)、名物とかそっちの話!!』

 シノブ「ホント、浅ましい人ですわね・・・;」
 アカネの声『なに言うてんねん!、旅の醍醐味やろ!』

 シノブ「はいはい・・・。ちょっと待って下さる」

呆れながらも、何だかんだでパソコンで検索するシノブ・・・






・・・・・






同時間帯、『米村 家・サチの部屋』。

真っ暗な部屋の中、テレビだけから光が漏れる・・・

その画面の前で、サチはヘッドホンをしながら黙々と
発売したばかりの大作RPG“ヴァルキリーオーケストラV”をプレー中。


・・・しながらも、メールにはすぐさま気付き、確認。

 サチ「・・・連休イベント発生。」

 サチ「想定内。」

と、親指が残像するぐらいの素早い指捌きで
「合宿に参加する」意思を返信する。






・・・・・






同時間帯、『月見 家・玄関』。

 ユエ「―――・・・ただいま〜」

連休中だが、いつも通りの制服姿で帰宅するユエ

 ユエ母「あらお帰り〜。随分遅かったわね、部活」
そのユエを出迎える母

 ユエ「うん色々とね〜・・・」
 ユエ母「ご飯の前に、先にお風呂に入ってきなさい」

 ユエ「は〜い」


・・・


洗面所 兼 脱衣所で、ポケットからケータイを出すと
メールの受信があった事に気付く・・・

 ユエ(誰からだろ・・・?)

ピッ

 ユエ「!、ま、ままマキ先輩!?!!;」珍しい!?

 ユエ(な、何だろ・・・?;)そわそわドキドキ


 メール文【来たる皐月、二日にて
      我等、三枝女子防衛団による強化合宿を行う事に相成った・・・―――】

 ユエ(ぶ、文面が堅いっ!?;)



 ユエ「って合宿ぅーーー!?!!!」

 ユエ母の声「ど〜したの〜?」
台所から

 ユエ「な、何でもなーい」


 ユエ「・・でも急だな〜・・・・・自由参加ってなってるけど・・・
    他のみんなはどうするんだろ・・・?」
器用に衣服を脱ぎながら、
片手でケータイを操作しアドレスを開き、電話をかける相手を選ぶ・・・


気の知れた“前線組2年生トリオ”のカナコだ。



 ユエ「―――・・・・・あ、もしもしカナコ?・・・」

 カナコの声『・・ん?、ユエ?、どうしたの?』
 ユエ「合宿のメール来た?」

 カナコの声『えぇ来たわよ』
 ユエ「行くの?」

 カナコの声『当然じゃない。五高地よ、セレブの庭よ』フフン
 ユエ「ぇ?、強化合宿だよね?」

 カナコの声『そ、そーよ;。セレブの強化合宿よ』
 ユエ「ゴメン何言ってるかわかんない;」


そんな通話中、カナコの電話越しから賑やかな声が入ってくる・・・


 タエコの声『ストップストップ!、さっきのチャンネル!』
 コウの声『え?、どれ?、6ch?』
 タエコの声『そぉ!・・・ってCM入ってるし!!』ズコー
 みんなの声『アハハ〜w』


 ユエ「・・・聞き覚えのある声が聞こえるけど・・・;」
 カナコの声『あぁ〜後ろでバカが騒いでるのよ』

 タエコの声『誰がバカですってぇー!』
 カナコの声『バカっていうか、カバだけど』

 タエコの声『ゴルァァァァァ!!=3』
 コウの声『ちょっと暴れないで!、下(1階)の人に迷惑でしょ!!』

 ユエ「・・・・・(=v=;)。・・・・・カナコ今どこなの?;」どういう状況・・・?


 カナコの声『・・あ、あぁコウのアパートだけど・・・・・・・コラ突つくな!』
 コウの声『タエチー!!』

 ユエ「あ、コウのね・・・・・・・・・・え、えぇぇぇっ!?!!!!!」



 ユエ母「・・・ちょっとユエ、さっきから何一人で騒いでるの?」
台所から様子を見にやって来るユエ母

 ユエ「な、何でもないよお母さん!;」
 ユエ母「裸で電話してないで早くお風呂に入りなさい!!」

 カナコの声『・・・そっちこそどういう状況よ・・・・・;』




・・・




『月見 家・お風呂』。

浴槽に鼻下ギリギリ、口まで浸かるユエ・・・

 ユエ「・・・・・」


 ユエ(・・・・・うぅ〜・・・なんだろこの気持ち・・・)


 ユエ(あの2人(カナコとコウ)、いつのまにそんな仲良くなったの・・・・・?)

 ユエ(・・・アタシの方が友達になったの全然早いのに・・・・・)
   「ブクブクブク・・・」



 ユエ「・・・・・・・」



 ユエ(・・・・・って悩むなんてアタシらしくない!)
ザバー!っと一気に浴槽から立ち上がる・・・

 ユエ(うん!、合宿でみんなと会えばいいだけの話じゃん!!)
   「アタシも行こう!、合宿!!」



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by: へろ
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