彩花の騎士
ストーリー 33

4日が過ぎた・・・。


各班それぞれの訓練は、日常として体が覚え始め・・
コウや1年生達も、少しずつ様になってきている。


4月も後半に入り、
カレンダーを見ると、赤で記された日にちが意識せずとも目に付く・・・。




本日は金曜日。


放課後、『2年C組の教室』。
時間は4時を過ぎようという頃・・

誰もいない教室で、バタバタと帰り支度をするコウ
 コウ(うひー!、日誌に思いのほか時間取られちゃったよー!!(>□<;))

日直の当番だったコウは、書き終えた日誌と鞄を持ち、席を立つ・・



 コウ「・・!、わっとと窓窓!、鍵鍵!!」
慌てて教室を出ようとし、戸締まりに気付いて出たり入ったり・・



・・・



 コウ「――・・失礼しました」

1階の職員室に鍵と日誌を返し終え、ようやく日直の任が解けたコウは
廊下は走らず・・自分史上最速の早歩きで『騎士の館』に向う・・・


そして校舎から出るやいなや、駆け足!。

 コウ(こんな時バトルスーツがあればー!)



・・と、Bグランド横から裏門に向う道中・・

 ???「お〜、コウじゃねーか」
 コウ「・・?」

自分を呼び止める声に気付き、足を止める・・

 コウ「トキエちゃん」
 トキエ「こんな時間にどした?」

“カナコとの和解”により、トキエとも距離が縮まったコウ。

 コウ「日直(^^;)」
 トキエ「あ〜ご苦労さん」
 コウ「トキエちゃんこそここで何してるの?」

ジャージの前ファスナーを全開に開け、袖を捲ったトキエの姿は
何ともワイルドで勇ましい・・

 トキエ「フットサル部の手伝いだよ」
トキエの目線の先を見ると、
Bグランドでボールを蹴って、パス回しをしている少女達が数名・・

 コウ「え?騎士様は??」

 トキエ「ホラ、ウチ(突撃班)ユエが陸上部にも入ってるだろ?」
 コウ「あ・・そうなんだ・・」
 トキエ「昔のダチなのに知らねぇーのかよ・・」
 コウ「う・・うん・・・;」

 トキエ「まーいいけど・・・。
     でウチの姐さん・・班長の方針で、
     たまに運動部の助っ人みたいな事してるわけ」色んなトレーニングも兼ねて

 コウ「なるほど〜・・・・・。
    ・・・って、私急いでるんだった!!」Σ(@□@;)ハッ!

 トキエ「あ〜わりぃわりぃw」
 コウ「うん、じゃーね!」シュババ!=3

 トキエ「おぉ〜・・・。ハハw」スゲー全速力
    (やっぱ何かおもしれーなアイツw)

 フットサル部「佐伯さ〜ん、キーパーの練習に入ってー」
 トキエ「うっし任せろ」





 コウ(そっか〜・・ユエちゃんまだ陸上やってたんだ〜・・・)





・・・・・




 コウ「――・・すみません、遅くなりました!」

ジャージに着替え、『トレーニングルーム』に顔を出すと
ユミ、イサミ、チカのディアース班のメンバーが、ストレッチの最中だった・・

 ユミ「スミから聞いているから大丈夫よ(日直のこと)。
    今からだから、さぁ入って」
 コウ「はい!」



・・・



サーキットトレーニング。

筋力や持久力をつけるため、数種類の運動を組合わせて
それを繰り返し行なう訓練法だ・・

 コウ「・・28・・・29・・・・・30!」
 チカ「ふぐぐ・・!!」
 イサミ「・・・っ!」

ウエイト系マシンや、ルームランナー等も取り入れ
ディアース班の4人がローテーションでそれらをこなす・・・


 ユミ「さぁ〜みんな、あと1セットで休憩よ。
    ラスト頑張りましょう!」

 3人「はい!」


技術的な訓練はもちろんだが、まずは地味で辛い基礎体力を付ける訓練・・
これは前線組の日課、鉄則である。







・・・





騎士の館・2F『休憩室』。

トレーニングルームでの訓練を終え、休憩室で一休み・・

 チカ「・・ふひぃ〜〜〜・・疲れたぁ〜〜〜」
ソファーに足を伸ばして座る

 イサミ「軟弱者め」
立ったまま、自前のペットボトルの水を一口・・

 チカ「アタシにもくれ〜・・」ぐで〜〜〜
 イサミ「それが人にものを頼む態度か・・」頼まれてもやらんがな



ユミとコウも、ソファーには座らず
壁にもたれ掛かって話している・・

 ユミ「・・コウは大丈夫?」
 コウ「な、なんとかです・・(^^;)」

 ユミ「サーキットもこなせるようになってきたし・・良い感じよ」
 コウ「重り一番軽くしてもらってですから・・・」

 ユミ「あら、それでも凄い事よ。
    体育の授業以外ではあまり運動してこなかったんでしょ?」
 コウ「お恥ずかしい限りです・・・;」

 ユミ「責めてるんじゃないの(^^)」
 コウ「・・・」

 ユミ「貴方がそれを補おうと努力している姿が私は好きなのよ(^^)」


 コウ(す・・好きなのよ・・好きなのよ・・好きなのよ・・好きなのよ・・・・・)←エコー


 コウ「・・わ、私もっと頑張ります!!」○(☆▽☆)○グッ
 ユミ「えぇ」(^^)期待してるわ



そんなユミとコウの会話を途中から見ていたイサミとチカ・・

 チカ「(・・コウ先輩ってさ、結構単純だよねw)」なんか可愛い
 イサミ「貴様が言うな・・・」


 イサミ「・・・!、というか何を勝手に私の水を飲んでいる・・!!」
 チカ「いーじゃんいーじゃん」グビグビ

イサミのペットボトルをいつの間にか奪い、中の水を半分近く飲みほすチカ

 チカ「ほい」返すよ

 イサミ「・・もういらん!」
頬を少し赤らめて、強く断るイサミ・・

 チカ「あっそ」グビグビ


 チカ「・・・・・!」
何かに気付いたチカは、飲むのを途中でやめ
ソファーに肘をかけながら、いやらしい笑みを浮かべてイサミの顔を覗き見上げる・・

 チカ「もしかしてさ、アンタ関節チューとかダメ派?」ニヤニヤ

 イサミ「!・・・」
ピクリと眉が動く・・


 チカ「やっぱし?」ニヒヒ
 イサミ「・・・」

 チカ「そーかそーか♪、ホレホレw」弱点めっけ
飲みかけのペットボトルをイサミに向ける・・

 チカ「アタシはアンタともぉ(関節)チューしたよ〜w」
 イサミ「・・っ!!」


次の瞬間、イサミの拳がチカの頬に炸裂する!!


 チカ「っごっへぇぇ〜〜〜〜〜!?!?」まさかのグーパンチ!?

ソファーから転げ落ちるチカ


 ユミ「ちょちょちょっとイサミ!?!?;」
 コウ「イサミちゃん!?!?;」(@□@川)えぇぇぇぇぇーーー!?


 イサミ「・・・はしたない奴め・・」


 チカ「いちちちち・・。ちょ、ちょっとからかっただけじゃん・・・;」

 イサミ「そういうところも含めてな!」

 チカ「にゃろぉ〜・・」
頬を押さえて、やり返す気満々で立ち上がる・・


 ユミ「やめなさいっ!!!、2人ともっ!!!!!」




・・・




・・・その後、次の班が休憩室に入ってくるまでの15分間、
ユミのお説教が続いた・・・。





・・・・・





『シミュレータールーム』・・・

UE突撃銃を持ち、大部屋でペアになって訓練をしているイサミとチカ。


ダダダダダダダ・・!、ダダダダダダダ・・!


 チカ「なんでこんなヤツとペアで・・」ブツブツ
 イサミ「私の台詞だ・・」ブツブツ



 ユミ「・・・・・」
御立腹の様子で、コンピューター部屋からそんな2人の様子を見ているユミ

 コウ(・・・うぅ〜・・こういう時、私どうしたら・・・)




 コウ(・・・・・・・)むむむむむ・・




 コウ(・・・・・・・あ!そうだ!)ピコーン!☆
頭の横に電球が点り、何かを思いついたコウ・・


ユミの耳元でごにょごにょと、その案を話す・・



 ユミ「・・・まぁ!、それは良い考えね!!」
パンッと両手を軽く叩き、コウの顔を見てニコリと微笑み

すぐさまコンピューターを操作する・・





 チカ「・・あ!、それアタシの獲物だぞ!」
 イサミ「フンッ、貴様がノロノロしているからだ」

口喧嘩をしながらも、ゴブリの立体映像を倒していく2人・・




と、次に現れた(表示された)のは・・

ゴブリより遥かに危険度の高い、ゴリラ型ムゥリアン『デブル』。

まだ遠方に表示されているが、3m以上あるその巨体は明らかに脅威として映る・・・
それはハンティングゲーム感覚で撃っていたゴブリの比ではない。

 チカ「うぉぉぉぉぉ!何かデカいのきたーーーーー!?!?!」
 イサミ「んなっ!?」

 イサミ「お姉様、これは一体!?」

 ユミ「フフ、今日の課題はそれを倒す事よ」

 チカ「マジっスかぁー!?」

 ユミ「えぇ、大マジよ」(^^)ニコリ
 コウ(笑顔が逆に恐い・・・;)



ダダダダダダダッ!!


とりあえず射程に入るやいなや撃ちまくるイサミ

・・だが、大きい体格に見合わず動きの早いデブルを捉え切れず
小さなダメージすら与えられない・・


 チカ「こんにゃろめぇーーー!」

ダダダダダダダッ!!

チカも同じ様に撃つが、やはり結果は同じ・・・。





マイクをOFFにしたコンピューター部屋では、ユミとコウがそれを見守る・・

 ユミ「・・・そんなバラバラな事をしていてもダメよ。
    今の貴方達が2人協力してようやく倒せる相手だもの」

 コウ「・・・」
   (・・・それでも2人には、もぉデブルと戦える実力があるんだ・・・・・)

 ユミ「コウ、貴方のアイデアおもしろいわね」
 コウ「え?・・いえ・・。
    強大な敵を前にして共闘するのはよくある話で・・」漫画とかでは

 ユミ「そぉ?、でもおもしろいわ(^^)」
 コウ「ありがとうございます」


 コウ(・・・・・私も頑張らなくっちゃ・・・!)
イサミとチカを見ながら、拳を強く握るコウ・・




・・・




ビー!、ビー!、ビー!

 チカ「ギャーーー!、また!!」
 イサミ「くっ・・・!」

2人のメットのバイザー内が赤くなり、
警告音と共に、“重傷”の文字がデカデカと表示される。


 ユミ(・・・これで3回目・・。
    そろそろ気付きなさい・・個で戦っていては無理よ)


 チカ「っくしょー・・・デカいくせに何であんなに早いんだよ・・」
 イサミ(たとえ少し当たっても、この武器の火力では決定打にはならない・・
     課題と言われた以上、何かしら攻略する術はあるのだろうが・・・)

 チカ「ユミ先輩!、もう一度お願いします!」


マイクをOFFにしたまま、何も応えずコンピューターを操作するユミ。


バイザー内の表示が通常に戻り、デブルが現れたところから再開・・・。





・・・・・





それからリスタートを繰り返す事、さらに3回・・・。

疲れと苛立ちがピークに達したチカとイサミに、共闘の意思は全く見られない・・


そんな様子を延々モニターで見ているユミとコウ・・。

 コウ「・・・・・ユミ先輩・・私も入っていいですか?」
 ユミ「・・・・・そうね」



・・・



 チカ「あ・・」
 イサミ「・・・」

大部屋に入ってきたコウに視線が向けられる。

コウの手にはUE突撃銃より火力の劣るUEサブマシンガン・・

それを見たイサミの目は、「何を今更・・」という感じだ。


 コウ「チカちゃん、イサミちゃん・・」

 イサミ&チカ「?。はい・・」

 コウ「2人がデブルに全然勝てない理由、解ってる?」

 チカ「そんなの敵が強すぎるんスよ」
 イサミ「いや、私達の力が未熟なだけだ。
     あえて加えるなら武器の火力不足もありますね・・」
コウの持つUEサブマシンガンに視線を移す・・

 コウ「・・・」

 イサミ&チカ「・・・」


 コウ「・・次、戦う時・・・2人とも私の言う通りにして」
 イサミ&チカ「!」

普段、相手の意見を尊重するコウにはめずらしい態度に
2人は小さく驚き・・

 チカ「イイっスよ」
 イサミ「“先輩”の御命令とあらば」

少し投げやりで、見くびったような態度で返す。



・・・



 ユミ「――・・じゃあ再開するわよ」

 3人「はい!」



 コウ(・・2人の戦い方をあれだけ見てれば解る・・、デブルのパターン)


左右に長く距離を取って立つコウとチカ・・
2人の中間地点から奥にイサミ・・・三角形のフォーメーションで待機。


ズン、ズン・・と足音をたて、デブルが近づいてくる・・・。



コウの構えるUEサブマシンガンの射程内にデブルが侵入・・

 コウ(・・・・・まだよ、まだ・・)
確実にダメージを与えれる距離に入るまで堪えるコウ・・



 コウ「今!」

ダダダダダダダッ!



デブルは瞬時にそれに気付き、イサミやチカが今まで何度も失敗したように
コウの攻撃を横に飛んで回避する・・


 コウ「チカちゃん!」
 チカ「っしゃきたぁー!!」

デブルが飛んだ先には、銃を構えてスタンバイしていたチカ・・


ダダダダダダダダダッ!


見事デブルの頭部に命中

 コウ「そのまま撃ち続けて!、イサミちゃんは前進!」
そう言いながらコウはデブルに接近・・


デブルはチカの攻撃を腕でガードに入ろうとする・・

 コウ(よしっ!)

ダダダダダダダッ!

防御に意識が移ったデブルの足を、すかさずコウが追撃、
そのまま撃ち続ける・・


俊敏な動きを殺されたデブルは、もはや独活の大木。


 コウ「イサミちゃん!、コア!!」

デブルの動きを止めている間に、
敵に察知されない位置から
UE突撃銃の威力が最大限発揮できる距離に詰めていたイサミ

 イサミ(・・がら空きだ!!)

ダダダダダダダッ!!

イサミの銃撃が
ムゥリアンの急所『コア』がある胸の中央に一点集中する・・


 コウ「このまま!!」
 イサミ&チカ「はい!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!


3人による3方向からの攻撃に為す術なく・・
コアを破壊されたデブルは、叫びながら消滅していった・・・・・。







 チカ「・・・・・・・勝てた・・」ぽか〜ん・・
 イサミ「・・・・・」

 コウ「・・・」
   (ほっ・・)

大部屋内の立体映像は全て消え、真っ白になった空間に立ち尽くす3人・・・。



 チカ「・・す、スゲーっスよコウ先輩!!」

 コウ「・・・・・・・全然凄くないよ」

 チカ「・・ぇ?」
 イサミ「・・・・・」


 コウ「チカちゃんとイサミちゃんの今の実力なら、
    2人だけでもこの戦い方は出来たはずだよ?」


 チカ「・・・・・」
 イサミ「・・・・・」


 コウ「2人がちゃんと協力してれば
    本当は私が参加しなくても勝てた相手なんだから・・」


 チカ「・・・・・」
 イサミ「・・・・・」





 コウ「・・・2人共、ヘルメット脱いで」
 イサミ&チカ「・・?」

意味も分からずヘルメットを脱ぐイサミとチカ・・

同じくヘルメットを脱いだコウは、2人を手招きで寄せる
 イサミ&チカ「・・・?」


集まったイサミとチカの耳元で小声で話すコウ・・
 コウ「(・・早めに仲直りしないと、ユミ先輩の雷また落ちるよ)」

 イサミ&チカ「!」


そう言い残し・・
ちょっとカッコ付けたコウは、1人先に大部屋を出て行く・・・・・。








 コウ「・・ごごごめんなさい!ユミ先輩!!」(;>□<)バババッ!

コンピューター部屋に戻るやいなや、すぐさまユミに全力で頭を下げるコウ

 ユミ「?。・・どうかしたの?」
 コウ「私、調子に乗って
    2人に仲直りしないとユミ先輩の雷が落ちるとか言っちゃいました!
    ユミ先輩を悪役みたいに・・・ホントごめんなさい!!」(;>□<)ぺこー!

 ユミ「あらw、いいのよそれで。ご苦労様(^^)」

 コウ「・・・え?;」

 ユミ「だってそういう役回りは上級生が請け負うものだもの。
    規律を考えるなら、時には恐いイメージも大切よ」

 コウ(・・お、大人だ・・・!(☆□☆;))



 ユミ「でも雷か〜・・フフ、いいわね、それ♪」

 コウ(何だろ・・ユミ先輩って、私にとっての当たり前と理想の感覚が逆というか・・
    カッコイイ事はサラッと言っちゃうのに、
    普通な事に対しては疎いというか、必要以上に食い付くというか・・・)

 コウ(やっぱり育ちが良さそうだもんな〜・・・。
    うぅ・・そのギャップに萌えてしまいます・・・)(=v=)





 ユミ「――・・クスクスw・・コウ、見てご覧なさいよ」
・・と、ユミが笑いながら、大部屋の方を見るよう促がす・・

 コウ「?」


そこには・・
記者会見の席で大物同士が握手をしながら、カメラに目線を向けるような
イサミとチカの姿があった・・・。

 チカ「ニカッ!☆」
 イサミ「ニカッ!☆」


 コウ(う、うっわ〜・・・;、なんてわざとらしい仲直りアピール・・
    2人とも笑顔が引き攣ってるよ・・・(=v=;))


 イサミ「(どうして私がこんな・・)」
 チカ「(いいからやれよ!)」


 ユミ「クスクスクスw、なーに2人してw」可笑しな顔


 コウ「・・な、仲直り・・・したんでしょうか?;」アレで・・
 ユミ「フフフ・・。いいんじゃないかしら?」
クスクスと笑うユミ・・




 チカ「(・・・そろそろOK出たかな?)」
 イサミ「(知らん・・)」何のOKだ

2つの部屋を繋ぐドアが開き、コウが上半身だけ出して
イサミとチカに上がるよう伝える・・



・・少し不安な表情のイサミとチカが、大部屋から出てくる・・

 ユミ「・・イサミ、チカ」
 イサミ&チカ「は、はい!」ビシッ

 ユミ「御疲れ様。少しは頭冷えたかしら?」
 イサミ&チカ「はい!」ビシッ

 チカ「もう冷えっ冷えのキレッキレであります!!」
何故か敬礼するチカ

 チカ「なっ!」
 イサミ「あ、あぁ・・」
    (キレッキレとは何だ・・?)

 ユミ「よろしい(^^)
    では2人は休憩。・・少ししたらコウ、次は私と入るわよ」
 コウ「あ、はい!」





ユミは自らも参加する次の訓練のため
コンピューターを操作して、オートプログラムの設定に入る・・

 ユミ(・・・イサミとチカ・・戦闘力は優秀だけど
    チームワークがこれからの課題ね・・・)

 ユミ(・・そう考えると、やっぱりキーマンになるのはコウ・・
    まだまだ戦闘力には不安があるけど・・)


部屋の奥で汗を拭いているイサミとチカ・・
そこに付き添っているコウ・・

そんな3人を見るユミ・・・

 ユミ(あの娘(コウ)の存在は、この班の潤滑油で間違いないわね・・・フフ)





 チカ「――そうっス、アイツ(デブル)急に横飛びするんスよね!w
    こうやって・・」
俊敏な動きで反復横飛びをしまくるチカ

 コウ「アハハw、やめてよチカちゃんw」変な動き
 チカ「こうやって!」シュババ!シュババ!シュババ!=3

 コウ「ダメだってww」ふざけてるとまた怒られるよ
 チカ「カバディカバディカバディ!」シュババ!シュババ!シュババ!=3

コウにウケた事で調子に乗ったチカは、そのままイサミにも近づいていく・・

 チカ「カバディカバディカバディ!」シュババ!シュババ!シュババ!=3

 イサミ「・・・貴様、また殴られたいのか?」
 チカ「カバディカバディカバディ!」シュババ!シュババ!シュババ!=3

 コウ「チカちゃん!w」捕まえた!
ガッチリ抱き付いてチカの動きを止める

 チカ「ギャー、タッチダウーン!!w」捕まった!

 イサミ「・・・・・」
    (・・美里先輩まで・・何か新しいスポーツなのか?)←違います





 ユミ(フフ・・(^^)。・・・コウにイサミにチカ・・・・・
    “カワイイ後輩”って・・こういう事なんですね、お姉様・・・)

ユミにとって、直系の後輩ができたのは今年がはじめてである。
ゆえに、トラブルを起こしつつも成長を見せる3人が、愛しくて仕方ないのだ・・・



前の「ストーリー 32」へ  メインに戻る  次の「ストーリー 34」へ

by: へろ
このコーナーの全ての情報、画像を無断転載することを禁じます
このコーナーは、個人が趣味で作っているもので
各作品の関係者さま、企業さま、出版社さまとは一切関係ありません

inserted by FC2 system