彩花の騎士
ストーリー 27

北門公園で桜祭がはじまり、少し経ったお昼前・・・。


ここは彩花街の隣街、『叶街』の駅周辺にある『ゲームセンター』内の一角。

巷で人気の対戦型格闘ゲーム“姫真舞闘祭U”の大会が催されている・・・



 ゲーム筐体「YOU LOSE・・・」



 チカ「・・・・・」(=v=川)


 店員「勝者、赤い二等兵さん!おめでとうございまーす!」

ゲーム画面には、相手の体力を3分の2も残したまま、
見事地面に転がっているチカが使ったキャラクター・・・

無言のまま、席を立つチカ・・

 店員「はい、参加賞のコスチュームコードでーす」
そのさい、店員から英数字とキャラクターが描かれたカードを手渡される

 チカ「あ、ども・・・;」

そそくさと・・ギャラリー達をかき分け、人が空いた一角に脱出。



 ミヨ「・・・見事に一回戦敗退だねw」(^^;)
缶ジュース片手に、その様子を遠目で見ていた・・付き添いのミヨ

 チカ「ミヨぉぉぉーーー!!」(T□T)
涙ながらにミヨに抱きつく

 ミヨ「わっコラ!?、ジュースこぼれるでしょ!」

 チカ「ちくしょーーーっ!!」(>□<)○
叫びながら、ミヨのジュースを奪い取りグビグビ飲む・・

 ミヨ「畜生なんて言葉、リアルで使う人いたんだ;」私のジュース・・・



・・・



 ミヨ「・・落ち着いた?」

店内のベンチに座る2人、
ミヨの缶ジュースを結局飲みきったチカ・・・。

 チカ「あんにゃろハメやがってぇ・・・」
 ミヨ「いやハメじゃないし;
    単にチカが大振りな技ばっかり出すから隙だらけなだけで・・」
 チカ「ミヨはどっちの味方なの!」
 ミヨ「はいはい・・」(^^;)


 ミヨ「・・で、この後どうするの?。
    一応、リサ先輩の御所望のモノは貰ったけど・・・」

 チカ「個人台でボコる!」CPUを
 ミヨ「やれやれ・・」(^_^;)





・・・・・





 ゲーム筐体「YOU LOSE・・・」


 チカ「ムキーーーーー!!」(>皿<)

CPU戦、3人目で敗北。
見事地面に転がっているチカが使ったキャラクター・・・


 ミヨ「だからどうしてそんな大振りな技ばっかり出すの?」バカなの?
チカのプレーを後で見ていたミヨが一言

 チカ「だってカッコイイじゃん!!」
 ミヨ「いや負けてるから;」

 チカ「もぉいい!今日は姫U封印!!」
腹いせ交じりに、ゲーム画面のコンテニューカウントを連打して0にする

 ミヨ「子供なんだから・・・」

 チカ「ミヨも何かやりなよ!」
 ミヨ「ん〜・・」
 チカ「あ!パズルはダメだかんね!」ミヨ上手いから長い・・

 ミヨ「いいや今日は・・。それよか外ブラブラしようよ」
 チカ「仕方ないな〜」(ー▽ー)ノ

 ミヨ「何で上から・・・;」



ゲームセンターを後にする2人・・・

 チカ「あちょっと待って!、シバリサ先輩にメールしとく!」







・・・・・







一方その頃、騎士の館『格納庫』。

特訓の合間・・・昼食休憩がてら、コウとフミコはここに顔を出していた・・・。

 コウ「――・・私、こんなのに乗って戦うんだね・・・;」改めて・・
 フミコ(・・・・・先輩が・・これを?。いまいち想像できない・・・;)失礼だけど

白色のディアースの足元に立ち、
それを見上げるコウとフミコ、そして付き添いのシイナとシノブ・・


 シノブ「正式名称は“MD-103「リディア」”。
     塗装や調整が正規品と少し違うから
     三枝女子防衛団仕様・・ってところかしらね」

 コウ「あれ?、“コスモス”じゃないの?」このディアースの名前・・

 シイナ「“コスモス”って言うのは愛称ね。ウチの学校独自の呼び方」

 シイナ「去年導入された時、新聞部の企画で一般生徒から名前を募ったのよ・・
     どうせならみんなに好かれる機体にしたいじゃないw」
 コウ「へ〜・・・でもどうしてコスモス何ですか?」

 シイナ「この白いカラーリングね」

 シノブ「“白いコスモス”の花言葉は「乙女の純潔」。
     まさに騎士様が乗るに相応しい名前じゃありませんか・・」


 コウ「!!!!!」(☆▽☆)キュパーン!
パァ〜〜〜・・っと花が咲いたように、目をキラキラさせてシノブの顔を見る・・


 シノブ「・・な、なんですの?;」
 コウ「それ・・すっっっっっごくイイ!!!!!」

 シノブ「はぁ・・それは良かったですわね・・・;」

 コウ「考えた人、絶対騎士様ファンだよ!!」鼻息フンッ=3
改めてディアースを見上げる・・

 コウ「乙女の純潔!、騎士様!、ビバコスモス!!」\(☆▽☆)/
両手を広げ、目を輝かせる

 シノブ「ビバ・・?;」
 シイナ「アハハw
     よく解らないけど、とりあえず気に入ってくれてアタシも嬉しいわw」

 コウ「はい!、コスモス素敵です!!」

 フミコ(う〜ん・・・先輩のスイッチはまだまだ謎だな〜・・・)


今のコウには、その白い人型汎用兵器ディアースが
(妄想フィルターで)逞しくも繊細で華麗な“白馬”のように見えていた・・・・・。







・・・・・







叶街、『駅前ビル』の中にある、エスニックな雰囲気の雑貨屋。

 ミヨ「――・・あ、これカワイイ!」
5cm程のガラス細工の動物が沢山並ぶ棚の前で足が止まる・・

 チカ「ミヨミヨ見てー!」
 ミヨ「ん?」

振り返ると・・
どこかの島の原住民が作るような、奇抜なお面を被ったチカ

 チカ「怪人ヘルデババ!!」
 ミヨ「どこから持ってきたのよそれ・・・;」元ネタわかんないし・・

 チカ「お前も肉団子にしてやろうか!!」
狭い店内で変な踊りをする

 ミヨ「よしなさい!」
と、お面を取り上げる

 チカ「あぁ〜・・・・・」
 ミヨ「ホラ、元あった場所に返してくる!」
 チカ「ミヨのバカ!」

 ミヨ「まったく・・・」バカはどっちよ



馴れた感じでチカをあしらいつつ
ウィンドウショッピングは続く・・・





しばらく散策の後・・・訪れたのはブティックっぽい、こじゃれた洋服店。

 チカ「(ちょっとミヨ!、こんなのが2万円だって!!)」
流石に空気を読んだのか、ミヨに擦り寄って小声で話しかける

 ミヨ「(わかってるわよ;)」
 チカ「(早く出よーよ!、ぼったくられるよ!!)」
 ミヨ「(そうね、店員さんが向こうのお客さんに気を取られてるうちに・・)」

その時だ・・


 ???「轟け!イナズマ雷鳴キィーーーック!!」


大人な店の雰囲気をぶち壊す、謎の叫び声・・・

 ミヨ&チカ「!?!?!」ビクッ!?


慌ててケータイを取り出すチカ

 チカ「・・あ、なんだシバリサ先輩の返信か・・・」ホッ・・
 ミヨ「(どうしてそんな恥ずかしい着信音にしてるのよっ!!!)」


店員と他のお客からの冷ややかな目線を感じながら
ミヨはチカの腕を引いて店を後にした・・・・・。




・・・




駅前ビル内のお手洗い近く、ベンチと自販機がある『休憩スペース』。


ガタコン・・


ミヨは自販機から缶紅茶を取り出し、プシッと開けてその場で一口飲んでから・・
ベンチに腰を下ろす。

 ミヨ「・・リサ先輩?」

先にベンチに座り、ケータイをいじっているチカ
 チカ「うん」


 チカ「暇だったら桜祭来るべし!・・だって」お礼におごってくれるって
 ミヨ「桜祭か〜・・・ここからだと結構遠いわね」バスで1時間ぐらいかな・・・

 チカ「どする?」
 ミヨ「時間的には大丈夫だけど・・・チカは用事とかまだあるの?」
 チカ「う〜ん・・・・・あ!、ガチャポンだけやっときたい!!」
 ミヨ「完全に男子小学生ね;」

 チカ「いいでしょ!、まだレンダマンのやつコンプしてないんだから!」
 ミヨ「いや何マンとか知らないけどさ・・・」

 ミヨ「じゃあそれやったら行ってみる?」
 チカ「ミヨはいいの?」
 ミヨ「ん?、私はまぁ〜・・アンタのお目付け役だからw」

 チカ「なにそれ?、アタシと一緒にいたいって言いなよ〜w」うりうり
ゲシゲシと肘でミヨを突つく

 ミヨ「コラ!ジュースこぼれるでしょ!!」じゃれるな・・
 チカ「・・からの〜〜〜・・ビーストショルダーボンバー!」
そのままぐりぐりと肩をミヨの懐にねじ込んでいく・・

 チカ「おりゃおりゃ〜!」


パンッ!


ミヨも流石にイラッとしたのか、チカの頭をはたく

 チカ「あ痛っ!?」
 ミヨ「いい加減にしなさい」
 チカ「へ〜い・・」

チカはそのまま、体の向きを仰向けに変える・・
と、丁度ミヨに膝枕をされている体勢になる。


 ミヨ「下りなさい」
 チカ「ウヘヘ、お嬢さん良い太ももしてますな〜w」

 ミヨ「バカ」
そう言って、チカのおでこに飲みかけの缶を置く・・

 チカ「アタシのおでこはテーブルじゃないやい!」(>□<)冷たっ

 ミヨ「飲み終わるまでそうしてなさい」動くと顔にこぼれるわよ

ニコリと微笑むミヨだが、その目元には表情とは対照的な影・・・


 チカ「うぅ・・・」これ何のプレイですかミヨさん?(=v=;)



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by: へろ
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