彩花の騎士
ストーリー 54
『騎士の館』に入って行くコウとイサミ・・・
その2人の後ろ姿を、
校舎の裏門側から、偶然歩いて来ていた人物が見ていた・・・
シイナ(・・・ん?。休日に2人してどうしたのかしら・・・?)
・・・
『騎士の館:休憩室』
流石に、連休の午前中に人はおらず
コウとイサミは、ゆっくり話が出来ると小さく安心する・・・
コウ「・・・イサミちゃん何飲む?」
イサミ「私は結構です」
自販機の前に立つコウと、ソファーに座ろうとするイサミ
コウ「おごるよ?」ここは先輩が
イサミ「!。そのようなお気遣いをされるのなら、自分で買います!」
コウ「そ、そぉ?;」
(・・・うっ・・・何か買わせたみたいで、逆に申し訳ない気が・・・;)
2台ある自販機の一方で、烏龍茶をチョイスするイサミ・・・
紙コップに氷と飲料が注がれているのを待つ。
その隣・・・
コウ「・・・私は・・・これにしよっと」
“メロンソーダ”のボタンを押すコウ・・・
それを見たイサミは
イサミ「それを飲まれるのですかっ!?」くわっ!
コウ「・・・ぇ?、うん・・・」
イサミ「・・・・・・・」
コウ「・・・?」
イサミ「・・・喉を焼いても知りませんよ・・・」炭酸で
そう言って、注ぎ終わった烏龍茶の紙コップを、自販機から取り出す・・・
コウ(・・・め、メロンソーダってそんな物騒な飲み物だっけ!?(@△@川))
・・・
コの字型に置かれたソファーに座る2人・・・
向かい合ってでもなく、隣り合ってでもなく、90度の位置と適度な距離で。
コウ「・・・ズズ、グビ・・・・・・・;」
静寂に気を使って飲もうとする時に限って、変な音が出る・・・
イサミ「・・・・・あの・・」
コウ「(ビクッ!?)・・う、うん!」
ササッ!と、飲みかけのジュースをテーブルに置き、聞く姿勢をとるコウ
イサミ「美里先輩は合宿・・・行かれるのですか?」
コウ「うん行くよ」
イサミ「・・・そうですか・・・・・」
・・・・・沈黙。
コウ「・・・・・い、イサミちゃんは?;」
イサミ「・・・・・その事、なのですが・・・」
コウ(その事だったかー!!)
イサミ「・・・どうにも、家の用事と重なってしまっていて・・・」
コウ「・・・そっか・・・・・」
コウ「・・・それって、どうにかならない用事なの?」
イサミ「我が家の恒例行事・・・とでも言いましょうか・・・」
コウ「恒例・・・?」
イサミ「はい。父の知り合いとの家族ぐるみの会食・・・旅行に近いですね」
コウ「旅行か〜・・・確かにそれは・・・・・」
コウ「・・・イサミちゃん的にはどっちに行きたいの?」
イサミ「・・・・・」
イサミ「・・・それは・・・まぁ・・・父の顔もありますので・・・」
コウ「合宿なんだね!」(☆ー☆)ニッ
イサミ「!?。いえ、私は・・・」
コウ「今、お父さんの顔も・・って言ったよね?、
それってイサミちゃん自身の気持ちとは違うじゃん!」
妙に熱の入るコウ
イサミ「・・・・・・・」
コウ「解る。解るよ〜・・・」うんうん(ー_ー)
コウ「私も去年、親の転勤に振り回された口だから・・・」
イサミ「!」ピクッ
イサミ「・・・・・・・・かっ・・!、勝手に解らないで下さいっ!!!」
ガタッ!!と立ち上がるイサミ
コウ「っ!?!!!」ビクゥッ!?!!!
座ったままたじろぐコウ・・・
コウ(・・・・・え、えぇぇぇぇぇーーー!?!!(@△@川)ガビーン・・・;
これって話聞いて迷ってる背中押してほしいとかじゃなかったのぉー!?)
イサミ「私はそういう無責任な同調が嫌いなんです!!」バンッ!!
コウ(ひぃぃぃぃぃ;、私やっちゃいましたよユミ先輩!?!!(T□T;)ノノ
地雷の真上に10.00の見事な着地決めちゃったみたいです!!)シュタッ!!=3
???「―――――・・・ちょっとちょっと何?、廊下にまで聞こえてるわよ」
と、休憩室に何事かと顔を出すシイナ・・・
イサミ「っ!?」
コウ「!?。・・・し、シーナ先輩・・・?」
シイナ「隣の作戦室に資料取りに行こうと思ったらさ・・・どした?」
コウ「い、いえ何でもありません!;」
シイナ「そぉ?。・・・・・仲良くなさいよ」
コウ「は、は〜い・・・(^^;)」
空気を察したシイナは、そのままドアを閉め廊下に戻る・・・
コウ「・・・・シーナ先輩、来てたんだ・・・ハハ・・・」
一時的に話題を変え、場を切り替えようと・・・
イサミ「・・・・・」
無言でソファーに座り直すイサミ
イサミ「・・・申し訳ありませんでした。
まさか私の本心をそこまで見抜いておられるとは思わず、つい・・・」
コウ(・・・・・さ、さっきの・・・嬉しい方の感情表現だった・・・の?(@◇@;)?)
イサミ(私は美里先輩を見くびっていたようだ・・・)
コウ(ツンデレ過ぎて心臓に悪いよ!イサミちゃん!;)
イサミ「・・・・・その・・・どうすればよいのでしょう?」
コウ「・・そ、そりゃお父さんを説得して・・・」
イサミ「父上・・いえ、父はその・・・・・私の意見など聞いてくれるとはとても・・・」
コウ(イサミちゃんが恐れるって、
ど、どんだけ恐いお父さんなの!?(@@;))ちゃぶ台ひっくり返す系?;
コウ(・・・で、でもよし!、ここは先輩として
ホントちゃんと改めて誠実に・・・自分の発言に責任を持って・・・)
コウ「・・・じゃ、じゃあ私も一緒に行ってあげるよ!」グッ
イサミ「!?」
コウ「・・・・・」(・v・;)ドキドキ
イサミ「・・・・・本当ですか?」
コウ「私じゃ頼りないかもだけど・・・言った手前、最後まで付き合うよb」
イサミ「・・・・・」
言葉には出なかったが、イサミの瞳が小さく輝き、表情が柔らかくなる・・・
イサミ(・・・・・・・・そうか、そうだったのか・・・
騎士様にとって最も重要なもの・・・他人のために動ける精神・・・)
イサミ(美里先輩は確かに頼りないところが多いが・・・
この方が騎士様であることに、今ようやく納得が出来た・・・!!)
コウ「・・・ホラ見てイサミちゃん・・・」
舌を出すコウ・・・
イサミ「っ!?!?!!!!」ビクッ!?
メロンソーダを飲んで、緑色になったコウの舌・・・
コウ「妖怪のベロw」
調子に乗って、さらに場を和ませようとする
イサミ(前言撤回だっ!!!!!○(TムT))
・・・・・―――――――
シイナ「―――・・・・・これでよし・・っと」
騎士の館の『駐車場』にて、
“水色の軽自動車”の助手席に、ダンボール箱を乗せるシイナの姿・・・
???「シーナせんぱーーーい!!」
シイナ「・・・ん?」
自分を呼ぶ声が聞こえ、辺りを見渡すが・・・・・誰もいない。
???「こっちです!、外外!」
騎士の館の敷地外、入口ゲート前の道路から
背伸びをしながら大きく手を振る人物・・・
シイナ「!、あ〜新聞部の・・・」
ヨシコ「はい!、田所です!、田所ヨシコ!」
シイナは助手席のドアを閉め、ヨシコのもとに歩いて行く・・・
シイナ「・・・ヨッシーちゃんねw」
ヨシコ「どもです!」敬礼!
シイナ「アハハなにそれ?w。どうしたの?、取材?」
ヨシコ「はい!、何か良いネタや連休の予定など聞けたら!・・・」
ゆっくりマイペースに歩いてくるシイナに対し
じれったいのか、興奮なのか・・・ヨシコは思わず入口にあるバーから身を乗り出す・・・
ヨシコ「っ!?、っ痛!あっっっつ!!!!!」
瞬間、叫んで飛び退く
シイナ「だ、大丈夫?;、そこ“スタンウォール”あるから気を付けてよ;」
ヨシコ「・・な、慣れてますので心配御無用です;」痛つつ・・モロ鼻いった・・・;
シイナ「いやいや慣れちゃダメでしょ・・・(=v=;)」過去にも勝手に入ろうとしたのね・・・
シイナが入口近くまで来ると、バーが上がり、スタンウォールが解除される
シイナ「・・・見せて?」
騎士の館の敷地から出、道路で鼻の頭をさすっているヨシコを心配するシイナ
ヨシコ「!・・・」
さすっていたヨシコの手を優しく退け、鼻の頭を見る・・・
シイナ「ん・・・」
シイナ「擦って赤くなっただけね・・・」
ヨシコ(か、顔近い・・・/////)ドキドキ
シイナ「アタシも昔、どんなものかスタンウォールに当たってみたけど
静電気の強化版みたいで痛いのよね〜(^^;)」
ヨシコ「ハ、ハハ・・・」好奇心旺盛ですね・・・;
シイナ「取材熱心なのもいいけど、ほどほどよ〜w」
ヨシコの鼻の頭を、人差し指でチョンっと軽くつつく・・・
ヨシコ「・・は、はい・・・///」
シイナ「ってアタシも興味の対象には夢中になりすぎちゃう口だけどw」
そう気さくに笑うシイナに、見惚れるヨシコ・・・
ヨシコ「・・・ハッ!?;。
そ、そうだシーナ先輩!、何か騎士様の情報ありませんか!!」
シイナ「言ったそばからw」
シイナ「・・・そうねぇ〜・・・・・明後日・・」
と、シイナが言葉を言いかけた時・・・
コウ「―――・・・シーナ先輩御疲れ様です。ってヨッシー!?」
イサミ「御疲れ様です。」
後ろから2人・・・
シイナ「アラ?、もぉ帰り?」
振り向くシイナと・・
ヨシコ「コウじゃない!?、それにイサミさんも!」
・・・
ひとまず話を終えたコウとイサミ。
何やら騎士の館での用事も済んだらしいシイナ。
取材にでも繰り出そうとしていたヨシコ・・・。
4人が偶然この場に集まった流れから
シイナの軽自動車で、
コウ、イサミ、ヨシコを送って行く事になった・・・・・―――――――。
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by:
へろ
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