ガンパレード・オーケストラ 緑の章
「美姫&那美(プロローグ)」

青の「里美&由加里」、白の「咲良&亜美」に続いての
私的ガンオケ百合カップル!、第3弾!!!、緑の「美姫&那美」!。

前2つはまだ公式でも友人だったり、相棒だったりと、
妄想を膨らませていくと、“なくはない”に至ったけど

今回は公式上ではほとんど接点のない2人!!;
色々紆余曲折(?)ありまして・・・

結果、3組目はガンオケの売りである
ドラマジェネレーターを本気活用した、
自身のゲームプレー&妄想で、関係性を新たに作っていく
・・・という、今まで以上に独自色が強いカプになった次第です(=v=)。


以下、ゲーム版の設定に色々追加アレンジしまくった、
このカプとしてのプロローグSSです。

ほぼ0からスタートのカップリングなので、メインシナリオもガッツリ入りw




<SS>

2月も終わりに差し掛かった頃・・・


本州へと進撃する幻獣達と
中国地方の山々を舞台に、大きな戦いがあった・・・・・


結果は、人類側の見事なまでの敗北。


主力本隊は、次の作戦に備えるべく早々に撤退を開始した・・・・・。



末端の衛生兵として、今回の作戦に参加していた【神海那美】。
彼女が属する小隊は、幸いにも本隊直下だったため前線から離れており
被害らしい被害はなかったのだが・・・・・




敗戦ムードの重苦しい空気に包まれる、軍用トラックの荷台内、
那美と数名の隊員達は、無言でただただ悪路に揺られるのみ・・・・・


・・・しばらくして、運転手が助手席に座る小隊長に叫んだ・・・

 運転手「・・・隊長!、幻獣です!!」
 小隊長「なっ!?、あの“ゲテモノ小隊”は何をしている!?、
      足止めしている手筈ではなかったのか!!」




・・・・・





そこで記憶が途切れている・・・


 那美「―――――・・・・・・・・・・う・・・・・ん・・・・・・・・・・・・」

山の斜面の途中で、木の根本に引っ掛かった状態で目を覚ます那美・・・

朦朧とする意識の中、聞こえてくるのはパチパチという音と
焦げ臭いにおいに混じった、ガソリンの独特な匂い・・・


 那美「っ!!」

自分が倒れていた斜面の上の方が、不自然なまでに明るい・・・


 那美「みんなっ!?」
体勢を整えようと立ち上がるも、足元がふらつくため
四つん這いで斜面を急いで登る・・・



その先で目にしたのは、自分達が乗っていた軍用トラックの
見るも無残な燃え上がる姿・・・



 那美「・・・あ、あぁ・・・・・・・・・・」
全ての力が一気に抜け、その場に崩れる・・・



なす術なく、ただただ炎を見る那美・・・・・・・




・・・・・・・・そんな中、ふと気付く・・・・・


 那美「・・・・・あ・・・れ・・・・・?」


人の遺体らしきものがどこにもない。


燃え尽きたというわけでもない・・・
燃えているのは車両のみだということに・・・・・



お人好しな彼女は、自分が置き去りにされたことよりも先に
隊員達がまだ無事な可能性があることに少し安堵した。








・・・・・―――――――――――








一方その頃、数キロ離れた最前線の一つ・・・・・

雷電と呼ばれる動物兵器に跨る、
この地形に特化した、山岳騎兵の小隊がいた・・・。


 英吏「・・・我々は見捨てられたのです」
 小隊長「何を馬鹿なことを言っている!」

 英吏「いや、正確には囮・・・ですね。
    本隊が撤退をするまでの時間稼ぎ・・・・・」
 小隊長「き・・」

 英吏「そこで私に一つ提案があります・・・」
 小隊長「貴様ぁ・・・!!」

前線キャンプの中央、指揮官テントの中で
冷静且つどこか上から口調で話す参謀【芝村英吏】の姿と
声を荒げる小隊長の姿・・・。


ほどなくして、テントから出て来た英吏が呟く・・・

 英吏「・・・まったく・・・ほとほと愚かな人ですね・・・・・」
   (・・・私の言葉に従っていれば、もう少し長生きできたものを・・・・・)





・・・・・





翌朝、事態は動く。

いまだにゲリラ戦を続けているこの山岳騎兵の小隊員達に、通信が入る。


 英吏(通信)『指揮官テントが攻撃を受け、小隊長が戦死した』

 英吏(通信)『各個、敵陣を突破してC地点に集まれ』



・・・



集合した皆に、英吏が出した話は2つ・・・

 美姫「―――・・・アタシが新しい隊長!?」
 英吏「そうです。貴方の能力を見込んでのお願いです」

不敵な笑みを浮かべる英吏・・・
“お願い”とは名ばかりの、これは強制である。


だが【金城美姫】、
彼女の戦闘から整備までこなす高い能力は、誰もが認めるところだ。


そして芝村英吏、
性格こそ問題あれ、彼の参謀としての能力もまた、間違いない・・・

この人事に反論は全く出なかった・・・。


続いて出されたのが、
近くの山間にある小さな町に一事逃げ込むという話である。

“負傷兵や、逃げ遅れた民間人を守るため”・・・と
いかにもな理由を述べる英吏には、誰もが半信半疑であったが

それもまた事実であり、英吏の画くシナリオに乗る以外の選択肢はなかった。




こうして急遽再編された『105山岳師団 金城小隊』は
幻獣の追撃を振り払いつつ、独自の行動を開始した・・・・・。




・・・・・




そんな町へ向かう道中、小さな出会いがあった・・・・・

 美姫「―――・・・・しっかりして、大丈夫?」


あの事故より、行き倒れとなっていた【神海那美】との出会いである。







・・・・・―――――――――――







金城小隊が辿り着いた町・・・いや村と言った方がいいか・・・

そこは今まで自分達が戦場にいたことが
まるで夢だったかのような錯覚を覚えるぐらい、

あまりにものどかな田舎町、農村だった・・・・・。



・・・



美姫達がまず最初に向かったのは、坂の上にある年期の入った木造校舎・・・
ここにいる、ある人物にまず話を通さなくてはいけない。


 伯爵「―――――・・・よかろう。お前達の駐留を許可する」
 美姫「有り難う御座います」


【鷲宮透子】。
“伯爵”と呼ばれている、この町近隣一帯を統括する人物である。



 伯爵「この町を守るというのだ、それなりの衣食住は提供する。
    勿論、雷電達の寝床もな・・・」

厳しそうな雰囲気に反して、とても話の分かる対応に
美姫達は少なからず彼女に好感を抱く・・・


 伯爵「それとお前達は学兵だ、兵士であると同時に学生でもある。
    明日からここでの授業にも出てもらう」
 美姫「じゅ、授業ですか・・・?。この状況下で・・・・・」

 伯爵「当然だ」
 源「けっ・・・馬鹿じゃねぇのか・・・」

小隊随一の不良、源が悪態を吐くと・・・


ガンッ!!


 源「っ痛ぇ!?」
源の頭にゲンコツが振り下ろされる・・・

振り返ると、白髪のガタイの良いオッサンが睨みを利かせている・・・
鷲宮家の家令、【風間東二】だ。

 風間「威勢がいいな、若いの」
 源「なんだジジイ?」

 美姫「ゲン!、止めなさい!!」
 伯爵「よい、風間」



・・・



そんなこんながあり、ようやく落ち着くことが出来た金城小隊。


皆それぞれ、与えられた宿舎で休息をとったり、
しばらく身を寄せるこの村や校舎を見て回ったりと、自由行動・・・。



・・・



『木造校舎の屋上』。

とても見晴らしの良いこの場所で、夕暮れの山を眺める那美の姿・・・


 美姫「――――・・・落ち着いた?」

後ろから美姫の声が聞こえ、振り返る・・・

 那美「あ、はい・・・。助けて頂いてありがとうございました」
深々と頭を下げる那美

 美姫「貴方の事だけど・・・
    この町にいる間は、アタシの小隊で預からせてもらうわ」

 那美「ありがとうございます」
再び深々と頭を下げる



そんな謙虚な姿勢に、美姫の脳裏に少し前の情景が浮かぶ・・・

 英吏(回想)『正規の衛生兵ですか・・・これは良い拾い物をしましたね』

 英吏(回想)『我が隊には文字通り“悪魔”がいますから・・・』
 奈津子(回想)『・・・?』

 英吏(回想)『是非、“天使”としての活躍に期待したいところです・・・』




ブンブンと首を振って、回想をかき消す美姫・・・

 那美「・・・?。金城小隊長?」
 美姫「あ、あぁ何でもないわ。それからその呼び方はやめてくれる」

 那美「え・・・」
 美姫「アタシ達、もう運命共同体みたいなものじゃないw。
    規律は大事だけど、余所余所しいのはあまり好きじゃないわ」

 那美「は、はい・・・」
 美姫「貴方の事は那美って呼ばせてもらうわ。
    だからアタシの事は、そうねぇ・・・・・美姫隊長?はないか・・・う〜ん・・・」

ブツブツとあれこれ考える美姫・・・


 那美「・・あ・・・。・・・美姫・・さん・・・?」
照れくさそうに、自分を見つめながら名を呼ぶ那美に・・・

 美姫「っ!!?!」
ボッと顔が真っ赤になる美姫

偶然にも、幸いにも、夕陽がその赤面を誤魔化してくれる

 那美「?・・・駄目・・ですか?」
 美姫「い、いいんじゃない!、そうね!、それで決まり!。
    じゃ!、夜風にあたる前に部屋に戻りなさい!」
急にアタフタしたように口調になり、

強引にその場を終わらせ、屋上を後にする美姫・・・


 那美「・・・・・」
   (・・・・・夜風に・・・か・・・フフ・・・・・)

何気なく気遣いの言葉を残していった美姫に、小さく微笑む那美・・・




・・・




屋上からの階段を降りてくる美姫・・・

 美姫(・・・・・何ドキドキしてんだろ・・・アタシ;)


階段を降り終わって、ふと横を見ると
源が両手をポケットに入れ、がに股歩きでズカズカと廊下を歩いている

 源「・・・ん?、何だお前、タコみてぇに真っ赤じゃねぇか」


ドゴーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!


瞬間、美姫の美脚から繰り出される上段回し蹴りが、源の顔面に炸裂!=3

 源(えぇぇぇぇぇーーーーー!?!?!!!)=足)@3@)∴∴

吹っ飛んだ源は、購買部の前を通過し
そのまま廊下の突き当たりの壁に激突する・・・;


 美姫「・・・・・まったく、これだからデリカシーない男ってバカなのよ!!」






・・・






 美姫&那美(・・・こうして出会ったんだ・・・私達は・・・・・―――――――)






 源「・・・こうして・・・じゃねぇよ・・・・・・・・ガクッ;」ボロ・・・






シリアスな空気に耐えられなくなってしまった最後の方・・・。


とりあえず公式で接点がほとんどない2人をどう繋げるか、盛り上げるか・・・

2次創作として取り扱う以上
ゲーム上でイチャイチャ出来ればそれでいいってワケじゃなくなったのでw

そこに至る経緯のつじつま合わせに、今回ちょっと燃えてしまったw。


「緑の章」、あんまり人気ないみたいだから心配してたけど・・・;

いざ遊んでみると&書いてみると、青や白にも全然劣らない!
掘っていけばもっと面白いキャラ出てきそう♪


戻る

by: へろ
このコーナーの全ての情報、画像を無断転載することを禁じます
このコーナーは、個人が趣味で作っているもので
各作品の関係者さま、企業さま、出版社さまとは一切関係ありません

inserted by FC2 system